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[ 企業インタビュー ] 株式会社ブルーム

虹の松原の向こう側、海外コスメの玄関口を訪ねて



一日の始まりと夜眠る前。

ほっとしたい時。

私たちの日常のさまざまな場面でコスメは登場します。

それらはいったいどんな経路で私達の手元にやってくるのでしょうか。

化粧品の輸入や成分分析を代行する株式会社ブルームを訪ねました。



インターネットのマップで検索すると佐賀県唐津市浜玉町をピンが指し、最寄りの筑肥線浜崎駅からは歩いて行ける場所です。美しく広がる虹の松原と隣り合う、海からすぐのロケーションでした。



株式会社ブルームは海外から日本に入ってくる化粧品の成分検査と通関手続きを行ない、パッケージに日本語の成分表示を付けて全国の販売店へ届けている会社です。その他にも日本の水に馴染むようにブランドへ成分の処方を提案することもあるそうです。例えば海外旅行で買ったシャンプーを帰国してから使った時に思うように泡立たなかったという経験はありませんか。海外で作られたものをそのまま日本で使うと水の硬さの違いから本来の良さが損なわれます。そこで心地よく使ってもらえるように成分調整の提案をされているそうです。近年人気の海外化粧品のソープ類もブルームで担当されました。


「自分は社長だけどプロデューサーだと思っています」と笑顔で語るジャパン・コスメティックセンターの代表理事でもある山﨑信二社長。



■ 逆さ地図から見えてくるもの

「アジアで一番可能性のある地域は北部九州だと思っています」とテーブルに広げて頂いたのは、なんと南北が逆さまの世界地図でした。見慣れない地図を不思議そうに覗き込んでいると、「海外では逆さ地図で見るんですよ」とヨーロッパからアジアへ化粧品が運ばれる海路を九州までなぞりながら「唐津に工場があることはメリットしかない」と山﨑社長の力強い声が響いた。



今後経済の伸びが注目される東アジアへ九州北部で作った化粧品を送ると、4日で届けることができるそうです。ヨーロッパからだと40日。エネルギー消費は10分の1になるので経済的にもコストダウンできるし地球環境にも優しい航海になりそうです。


逆さまの世界地図を見ると、海に面した九州の北側が輸出入に非常に便利で未来を感じさせる地域なのは想像しやすい。フランスから化粧品を流通させる仕組みを構築した外資系企業との関わりの深かった山﨑社長の元へ連携のオファーがあったのもごく自然な流れだったように感じました。その際に化粧品を観光、海産業以外の新しい産業として根付くように佐賀県や唐津市と協力することでコスメビジネスがしやすい地域づくりへと繋げていったそうです。


山﨑社長の掲げるビジョンの中で一番ワクワクしたのは唐津市と玄海町など近郊の街を日本のコスメティックバレーにするというものです。コスメティックバレーとは、フランス中部のシャルトルを中心とした半径150キロメートル内に、化粧品メーカー、大学、研究機関、工場などが集積し、一大産業クラスターを形成したエリアのことで1994年に設立。今ではロレアルやシャネル、ディオール、資生堂といった名立たるブランドが軒を並べています。



■ 化粧品は医薬品と同じカテゴリー

海外の化粧品を日本で展開するためには通過しなければならない法律があります。

薬機法というもので医薬品、医薬部外品、医療機器、そして化粧品に関する内容です。


ここで化粧品は薬と同じ扱いなの?と驚きました。


更に海外では医薬品と化粧品は別の位置づけになっていることもあり、流通させる際に通過しなければならない日本の規制は世界で一番厳しく定められています。そのライセンスを持っているブルームは、法律上の責任を引き受けて化粧品の品質を保証していることから国内における海外コスメ流通の玄関口ともいえる会社だと思います。


このお話を伺って、日本製の商品が素晴らしいと言われる理由も紐解くことができました。厳しい規制を通過しているからこそ、安全性だけではなく製品を作る技術力の証明にもなっているのです。


案内して頂いた部屋にはファッション誌や百貨店で一度目にしたことのある海外化粧品が飾られいて、製造元として幅広いブランドから絶大な信頼を集めている事がうかがえました。



■ 自分にしかできないこととは

「唐津で一番働きやすい会社を作ること。働きやすいを紐解いてくと福利厚生、給料、ボーナスのインフラが整っていることだと思うのです」と山﨑社長はいいます。


ブルームで働くスタッフの7割は女性。子どもを預けられる保育所や社員のランチ場所としても使われる交流スペースなど、スタッフが働きやすい環境を、世の中が動き始めるよりも先に整備してこられたそうです。子育て世代には嬉しい子ども手当もあります。もし出産で一度会社を離れたとしても仕事と子育てを両立できる安心感があるので復帰してまた働こうというモチベーションを保てるし、会社からの子育てへの理解と協力があるのはとても心強いことだと感じます。


豊かな自然に囲まれて海や山の新鮮な食材が身近にある環境で暮らすことのメリットも大きい。休日に海で遊んで温泉でリフレッシュすることもできるし、歴史が色濃く残る唐津では唐津くんちや唐津焼などの伝統と文化に触れることもできる。こうして感性を潤す環境が身近にあることは美を扱う仕事へのスタンスにも良い影響を与えると思います。


また、地方で暮らすことで都心よりも時間や人との距離が緩やかになることや、通勤や人混みから受けるストレスを小さくしてバランスの取れた暮らしが確保されることは、働きに創造力をもたらします。山﨑社長は今、働き方を考えている人へ収入の高さだけでは測ることのできない豊かさにも目を向けて欲しいと願っている。


あかみず保育園 企業主導型保育所として2018年にスタート



■ 未来

取材を通して、美しさが生まれるきっかけになる場所と、そこに情熱を燃やす企業が唐津にあることをとても誇らしく思いました。


美容が人生にもたらすのは彩りだけではなく、人の繋がり、会社、コスメという大きなマーケットであることも知ることが出来ました。そこには普段生活しているだけでは気づけない大きな循環と可能性をたくさん秘めています。


個人的には、資生堂、ポーラのように美術館やカフェなどが併設された五感で美を体感できる施設が唐津にできる事を期待します。



株式会社ブルーム

https://www.bloom-jp.com/



 

Text:アカツキ


街を渡り歩き偶然とセンスで化学変化を起こすミニマリスト。滞在先でフランスとドイツのフラワーデザインと暮らしの在り方から身に付いたことを活かして空間の魅力を引き出す提案やブックコーディネートを行う。唐津では朝市の古民家を期間限定のセレクトショップにする試みやイカを使ったパン、柑橘の焼き菓子を考案。KARAE SHOPとのコラボ企画で地元の蜂蜜、唐辛子、抹茶、醤油を使用した月餅を発売。


WEB

https://note.com/akatsuki20

紹介記事

https://editors-saga.jp/editors/yu_ki/20210210_1100.html







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