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  • 執筆者の写真JCC編集部

[ 活動紹介 ] パソコン一つで、世界を相手にコスメのビジネスが出来る地域を目指して

更新日:2023年9月5日

JCCが今年度より始めたDXの企業支援とは


今や経済用語として当たり前に使われているDX(デジタルトランスフォーメーション)。

今まで海外から国内まで企業誘致も含め、さまざまな地域産業の活性化に取り組んできたJCC(ジャパンコスメティックセンター)が、2022年4月から新たに美容健康関連企業でDXに取り組む企業の支援を開始することに。そこで新規事業について、基本的なことから企業誘致との関係、今後の展望まで事務局長の藤岡継美さんにお話をうかがってきました。


唐津の大手口ビル4階にあるJCCの事務所前で微笑む藤岡事務局長


ーー最初にDXとは何か分かりやすく教えて下さい。


藤岡さん:よく一言で説明して下さいと言われるのですが、簡潔にまとめるなら、自分の事業の革新や変革を得るために、デジタル技術やIT技術などの進化に合わせて、事業自体の中身も新しくいい方向に変えていくことですかね。


なるほど。時代に合わせたニーズや変化に対応しながら、最新のデジタル技術を導入しつつ、事業本体をアップデートしていくといったことですね。


藤岡さん:そうですね。言葉の捉え方としては、そういう感じで良いと思います。


ーー次に唐津でのDXの取り組みについて教えて下さい。


藤岡さん:唐津市で取り組んでいるDXは、主に行政サービスとしてのDXと、産業分野におけるDXの二種類あります。一つ目のDXは「市民サービス」のことで、役所内の業務効率化のために書類をペーパーレス化しようとする動きや、インターネット環境を整備するため、光ケーブルを唐津全区域に張り巡らすための業務といった、地域格差をなくすための取り組みをしています。二つ目の「産業分野」におけるDXは、今年の7月11日に大手口のセンタービル3階に、DXイノベーションセンターを開設しました。そこでは東京都の企業(株)フォーバルから2名専門家が常駐し、デジタル技術を活用した、市内事業者の経営課題の解決や新しい事業創出を支援しています。対象者によってそれぞれ情報、意見交換をしながら気軽に話しができるよう、センター内に相談窓口も設けています。今後は、事業者向けにセミナーを開催するなど、あらゆる角度からDXの推進をしていく方針です。


7月に大手口ビルの3階にオープンしたDXイノベーションセンター前(いろいろなデジタル機器も紹介しています)


ーー今現在JCCが取り組んでいるDXについて教えて下さい。


藤岡さん:JCCがDXをするというわけではなく、いわゆるデジタル技術を使って新しい市場を開拓している、化粧品や美容関係の企業様に来唐してもらい、唐津の魅力に直接触れて頂くことで、新しいビジネスチャンスに繋げるきっかけ作りを行っています。企業誘致という点では、企業に「唐津に支店や工場を作りませんか」という自治体の取り組みとは別に、まずは2拠点やワーケーションなど気軽な部分から始めていただき、次のステップとして、唐津に拠点を設けてもらうといった営業を、DXに取り組んでる企業やスタートアップ企業に絞って、声かけをしているという状況です。


ーースタートアップ企業の支援というものに、DXに取り組んでる企業の支援も含まれているということですか。


藤岡さん:両方ですね。今年度は、特にJCCとしてスタートアップの支援をしている訳ではなく、スタートアップの企業と佐賀・唐津との「縁を創る」ための営業をしているところです。またスタートアップといえども、必ずしもITを使っている訳ではなく、今までJCCと何らかの関わりがあったところを中心に声かけをさせて頂き、そこを皮切りに自分達がやっている取り組みで「興味がありそうな企業があったら紹介して下さい」みたいな感じで進めています。


ーー関係企業様が来唐した際、具体的に何かしていることはありますか?


藤岡さん:私達は来唐して頂いたお客様に対して、モニターツアーみたいな事を行っています。例えば、一日目はJCC主催のセミナーの講師になって頂き、そこで情報発信をする機会を作ります。翌日は、来唐された企業様にあわせて、佐賀県内コスメ産業を行う際に活用できるインフラをご紹介します。玄海町の薬草園や浜崎にあるコスメクラスター4社の企業訪問、また佐賀大学では皮膚科学の先生から直接お話を聞くなど、実際に化粧品に使われる原料の素材に直接触れたり、物作りの現場が見れます。そうした事がJCCのPRにもなる以外に、協業して新しいビジネスが出来る可能性が生まれます。そういった繋ぎ役として今年度から力を入れ始めてるところです。


左からCreww(株) 田尻様、三栄興産(株) 緒方社長、(株)バルドゥッチ バルドゥッチ淳子社長、(株)タベテク 田苗社長4人によるセミナー時座談会の様子


浜崎のコスメクラスター4社がある周辺の風景


ーー来唐した企業の反応はいかがですか?


藤岡さん:リモートでは得られない体感的な部分など、来て頂くことで伝えられることは多く、お蔭様で製品を作っている人達の生の声や、想いを知って頂く良い機会になっています。なかなかエリア全体で、この様な原料、製造、自治体の絡みを含めてやっている産業支援は他にはないですし、単なる資材発注とは違った、もの作りの入口から出口までの流れが全部見れるのは、企業としても勉強になるようで大変好評を得ています。


ーーどのような企業にお声かけしているのですか?


藤岡さん:ビューティー&ヘルスケアに関わりのある分野で、デジタルや新しい技術を使っている企業になります。例えばオンライン上では、化粧品にとって大事なテクスチャーや、香りが伝わらない訳ですが、そういった課題を解決しようとしている企業。それとバーチャル内でのマッチングをより楽しいものにしていきたいという理由から、メタバースの会社を紹介頂いたりしています。


ーー新しい取り組みをしている企業という意味で、メタバースもスタートアップ企業になるんですね。


藤岡さん:はい。そういうサービスをやっている方達との出会いはおもしろく刺激的です。普段の活動では、なかなか繋がる事が難しい人達だったりしますし、プロジェクトの進行もスピード感があります。それにお互い新しい事にチャレンジしているので、ワクワク出来るのも良いと思っています。


ーー最後に今後の目標などあったら教えて下さい。


藤岡さん:はい。佐賀県でも4年前から佐賀県産業スマート化センターが発足され、DXに対して取り組まれています。今回唐津市との動きの中で、県内にDXに興味や知見、技術を持っている事業者が多いと分かりました。今後はJCC、唐津市、佐賀県の取り組みを連動させ、DXに興味がある企業と外部の企業のマッチングによる新しい事業や、サービスが生まれることを目指して動いていきます。それが結果的には業界のため、会員企業のため、ひいては地域のためになるだろうと考えています。




今回取材して分かった事は、JCCが今までの企業誘致に新たなエッセンスを加えた形で、DXを含めたスタートアップの企業支援に積極的に取り組み始めた事だ。近い将来誰もがバーチャルの世界で、商品に触れずとも香りやテクスチャーが分かる、そんな夢のようなデジタル空間が誕生する可能性があるかもしれない。私達の生活はより豊かに便利にスマートに、デジタル技術と共に確実に進化していく。JCCはこれからもトライアンドエラーを繰り返しながら、理想形に近づくための歩みを止めない。国内のHUB、海外のHUB、原料のHUB 。3種のHUBを武器に持ちながら、人と人との繋がりを大切にする。


お客様のため、地域の発展のため、JCCの新たなチャレンジは続いていく。



 

Text:Ayako

コラムニスト


1979年埼玉県 生まれ。2008年結婚を機に唐津市に移住。その後10年以上育児に励んでいたが、市民向けのコラム養成講座を受講後ライターデビュー。唐津市市民ライター、佐賀新聞の地域ライターを経て、現在は移住者向けの唐津暮らし、企業の社内ライターや、事業承継の事業者ストーリー、ママ向けのweb magazine KaRaFuRuの記事を掲載。そのほか、小学校の放課後遊びのボランティアスタッフや、読み聞かせ等、地域の子供達の育成に取り組む。







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